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ワールドカップ2006
interview totti トッティ独占連載「野望を胸に」全10回

第8回:大切な家族に捧げる「僕のW杯優勝に対する気持ちが通じた」

トッティ  フランチェスコ・トッティは、ようやく主役の座を射止めた。「やっと、僕を名指しで意地悪な事を書いていた、多くの批評家を黙らせることができた!! オーストリア戦の終了間際にPKであげたゴールで、僕にのしかかっていた、大きな重荷がぬぐい去れたよ。

 2002年日韓大会の韓国戦で、モレーノ主審がレッドカードを僕に出してからの4年間、この時を待ちわびていたんだ。このゴールは、僕にとってW杯初ゴールだし、ベスト8のウクライナ戦に進むために、決定的なものだった。このゴールで信頼を回復できたと思う。大会当初から調子は良かったけど、試合を決めるゴールというものは、サッカー選手だけが理解できる、精神的な落ち着きを与えてくれる。

 PKの場面、監督もチームメートもクッキアイオ(※イタリア語でスプーンの意。トッティのループシュートやチップキックの代名詞になっている)をやるんじゃないかって心配してみたいだけど、あの場面では熱気が過剰すぎた。ブッフォンは、『見てられなくて背を向けてた』って言っていたよ(笑)。

 PKを蹴る直前には、ピルロが『頑張れ!! 』って声をかけてくれたことも、はっきり聞こえたし、気持ちは落ち着いていた。だから絶対に得点できるって自身はあった。

 試合には、妻のイラリーと息子のクリスティアンが観戦していたんだ。指を口に入れる“おしゃぶりポーズ”をして、あのゴールを息子に捧げたんだよ。クリスティアンは、僕の人生を変えてくれた存在だからね。もちろん、サッカーは僕にとって大事なものではあるけど、サッカーよりも家族の存在がもっと大事なものであると、息子は教えてくれた。家族のお陰で、僕はあの酷いケガから復帰することができた。僕の周囲では、今の自分に懐疑心を抱いていた人が多かったと思う。

 でも、リッピ監督は違った。僕をずっと信頼してきてくれたし、オーストラリア戦で僕をベンチスタートにさせる時も、リッピ監督は試合の当日、僕を個人的に呼び出して、正しい言葉と口調でベンチスタートのことを伝えてきた。僕はその理由に納得していたし、ベンチスタートに怒っていなかった。

 ベンチに座って、僕の出番がきたときに何をすべきか、ということだけに集中して、頭の中は整理されていた。だから苦しい時間帯で、あのような素晴らしい瞬間が訪れたのは、僕のW杯優勝に対する気持ちが通じたのかもしれない」

  TEXT: ALBERTO CERRUTI
  翻訳: 山口修一郎

トッティ Francesco Totti フランチェスコ・トッティ
1976年9月27日生まれ。180センチ、80キロ。生粋のローマっ子で、所属のASローマでは20歳代前半にしてキャプテンとなり、ファンからは「ローマの王子様」と呼ばれ愛されている。「10番」に強いこだわりをみせ、アズーリでもこの背番号を背負う。2002年の日韓大会では、準々決勝の韓国戦で2枚目の警告を受け退場となる苦い経験を持つ。W杯通算、4試合0得点。
独占連載「野望を胸に」
ロナウジーニョ第10回:敗戦のショックはさめず「どうか僕を探さないで」 
トッティ第10回:大きな喜び!結束力で掴んだ勝利「最後は世界一のタイトルとともに…」 
ロナウジーニョ第9回:僕の人生の中で最も大きな失望「ブラジルの敗因は…」 
トッティ第9回:今大会で最高のプレー「ドイツ戦は記憶に残るビッグゲームを」 
ロナウジーニョ第8回:こみ上げる失望感「僕を陥れて最高だと思っている人が…」 
トッティ第8回:大切な家族に捧げる「僕のW杯優勝に対する気持ちが通じた」 
ロナウジーニョ第7回:日本戦の勝利に満足「僕たちは、途中からギアを上げて戦った」 
トッティ第7回:W杯後の引退を胸に「4年前と同じ、またヒディンクと…」 
ロナウジーニョ第6回:笑顔の先に…「ベスト16でイタリアとは当たりたくない」 
トッティ第6回:次戦にリベンジ誓う「僕にとって“最後のW杯”で悔いは残さない」 
ロナウジーニョ第5回:批判集まる初戦の内容に「18日の試合でリベンジだ」 
トッティ第5回:初戦突破に「僕もチームもいい状態。必ず決勝へいく」 
ロナウジーニョ第4回:王者のメンタリティと「やる気にさせる、もう一つの材料」 
トッティ第4回:4年間、待ち焦がれた瞬間「失敗は許されない」 
ロナウジーニョ第3回:周囲の熱狂ぶりにも慎重姿勢「僕らはサーカス団じゃない」 
トッティ第3回:初戦へ準備万端「勝負の分かれ目は…」 
ロナウジーニョ第2回:笑顔が消えた1日…「今大会初ゴールは彼に捧げる」 
トッティ第2回:実戦で二重の満足感「本当の勝負が始まる」 
ロナウジーニョ第1回:心身ともに最高の状態「歴史を塗り替える」 
トッティ第1回:逆境を克服した強い意志「期待にはフィールドで応える」 
【GAME 特選コメント】
【イタリア】守護神ブッフォン「この手であのカップを掲げたい!」 (決勝フランス戦前)
【イタリア】2点目のデル・ピエロ「今日のゴールは運命だった…」 (準決勝ドイツ)
【ドイツ】主将バラック、「均衡した試合、勝敗を分けた“差”は…」 (準決勝イタリア)
【フランス】決勝ゴール演出のジダン「夢のように嬉しい気分」 (準々決勝ブラジル)
【イタリア】目覚めた大砲トニ「批判は無くならない、大切なのはチーム」 (準々決勝ウクライナ)
【ブラジル】W杯得点新記録のロナウド「優勝以外のことでは満足しない」 (決勝T1回戦ガーナ)
【イタリア】好セーブで危機を救ったブッフォン「失点するとは全く思わなかった」 (決勝T1回戦オーストラリア)
【ブラジル】W杯得点で歴代最多に並んだロナウド「精神的にも解放感」 (第3戦 日本)
【イタリア】W杯初得点のインザーギ、「最高の喜び、忘れられない」 (第3戦チェコ)
【ウクライナ】シェフチェンコ、祖国のために「勝たねばならない」 (第3戦チュニジア戦前)
【ブラジル】W杯初得点のアドリアーノ「揺りかごダンスは決めていた」 (第2戦セルビア・モンテネグロ)
【アルゼンチン】最年少ゴールのメッシ「この上なく嬉しい!」 (第2戦セルビア・モンテネグロ)
【イングランド】先制アシストのベッカム「ルーニー復帰はイングランドの武器」 (第2戦トリニダード・トバゴ)
【ブラジル】決勝ゴールのカカ、「クロアチアの戦術は、戦い辛かった」 (第1戦クロアチア)
【イタリア】ガーナ戦のMVPピルロ、「息子の期待に応えられ、喜び2倍」 (第1戦ガーナ)
グループ順位  
チーム名 試合 勝点 得失
1 イタリア 3 2 1 0 7 5 1 4
2 ガーナ 3 2 0 1 6 4 3 1
3 チェコ 3 1 0 2 3 3 4 -1
4 アメリカ 3 0 1 2 1 2 6 -4