
ここ数年で一気にスポーツメディアも多様化した
7月号「メディアの力」第2週/掲載日:2007年7月19日
――そもそも、スポーツのメディア業界に飛び込んだきっかけは?
「もともとが学生時代に広告代理店でバイトをしていて、仕事がらサッカー専門誌を扱う出版社にも出入りしてた。そのときに、アルバイトしないかって誘われたのがきっかけですね。雑誌の編集をして、記事も書いて。で、好きなサッカーを種に仕事ができるっていうのは、これほど幸せなことはないと思ったわけです。当時は、原稿を1本書いてもギャラは知れたものでしたが、でも、ファンの人たちに、自分なりの視点でサッカーを伝えられるってことは嬉しかったです」
――ライター、解説者など発信者側からみて、スポーツを取り巻くメディアの世界はずいぶん変化してきたんじゃないでしょうか?
「ですね。ここ数年はとくにその変化を感じますよ。ライブドアもそうですが、やはりネット媒体の存在が、これまでのメディアの業界に一石を投じましたよ。結局、視聴者、読者、ユーザーといったスポーツファンの人たちが情報に触れる端末が増えたってことですよね。かつては情報源が限られていて、雑誌や新聞を買わないと知りえない情報もたくさんありましたが、いまは、そういった情報が携帯電話を含めた、ネットの世界で溢れている。噂や議論も含めてね。スポーツを好きな人は昔と変わらず多いでしょうが、時代の移り変わって、情報を得る手段のバリエーションが豊かになった。日常生活の様々なシーンで、その状況にあわせて、情報を得る手段がある。だけど、メディアの側がそのニーズに追いついていない印象が僕してます。たとえば、雑誌とネット媒体の役割分担みたいなものは曖昧で、とくに雑誌の側は、ネット媒体をライバル視しすぎてる気がしますね。雑誌が売れなくなったといわれてずいぶん経ちますけど、これまでの収益モデルが壊れてきているのに、手を打っていないんじゃないかと。メディアとしての特性が違うのだから、もっと距離を縮めて、双方で利用しあえばハッピーなのにと、つねづね思ってますよ」
――情報を発信する側の杉山さんからみて、メディアの多様化はプラスですか、マイナスですか?
「プラスですね。というか、プラスになるように持っていくのが正しいスタンスじゃないですか。本質はテレビか、雑誌か、ネットかってことではないと思ってます。表現する場とその特性が違うってことだけですね」
――杉山さんの活躍されているサッカーのメディア業界について、現状をどう捉えていますか?
「あまり良い状態とは思っていませんね。テレビ、雑誌、ラジオ、新聞、ネットといろいろな媒体はありますが、その多様化は良いとして、逆に意見の多様化は感じない。たとえば、「オシム監督が良い」となれば、メディア全体が褒めまくり、信用してしまう。で、いざ、挫折をすると、今度は一気に叩きまくる。そういう10か0かって議論作りがとてもポピュラーになってますよね。僕からみると、健全じゃないし、面白くもない。
これは僕の持論でもあるんですが、極端な言い方をするとサッカーなんて所詮はエンタメですから、それを取り上げるメディアは、もっともっと議論を巻き起こすべきだと思うんです。サッカーという素材をもとに"もっと遊べ"って思います。先日、スペインのレアル・マドリーが、リーグ優勝したにもかかわらず、カペッロ監督を解任した。地元では連日その話題ばかりですよね。ようするにレアルはカペッロ監督がこのクラブの"水にあわない"から首を切ったわけです。でも、カペッロは以前にも同じ理由でレアルを解任された経緯がある。つまり、そんなの最初から分かってたでしょって意見が当然あって、クラブ首脳への風当たりは強い。
ただ、一方で、別の監督が良いと思っていた人たちも確実にいて、クラブの決断を擁護したりする。意見は真っ二つに分かれていて、ずっと議論が続いてる。メディアは、その双方の意見を煽るんです。で、議論が過熱すれば過熱するほど、雑誌なら雑誌の売り上げが伸びる。どちらが良いとか悪いとかの以前に、"議論を巻き起こす"わけです。そういう文化というのは、あまり日本のスポーツメディアには感じないですね」
「もともとが学生時代に広告代理店でバイトをしていて、仕事がらサッカー専門誌を扱う出版社にも出入りしてた。そのときに、アルバイトしないかって誘われたのがきっかけですね。雑誌の編集をして、記事も書いて。で、好きなサッカーを種に仕事ができるっていうのは、これほど幸せなことはないと思ったわけです。当時は、原稿を1本書いてもギャラは知れたものでしたが、でも、ファンの人たちに、自分なりの視点でサッカーを伝えられるってことは嬉しかったです」
――ライター、解説者など発信者側からみて、スポーツを取り巻くメディアの世界はずいぶん変化してきたんじゃないでしょうか?
「ですね。ここ数年はとくにその変化を感じますよ。ライブドアもそうですが、やはりネット媒体の存在が、これまでのメディアの業界に一石を投じましたよ。結局、視聴者、読者、ユーザーといったスポーツファンの人たちが情報に触れる端末が増えたってことですよね。かつては情報源が限られていて、雑誌や新聞を買わないと知りえない情報もたくさんありましたが、いまは、そういった情報が携帯電話を含めた、ネットの世界で溢れている。噂や議論も含めてね。スポーツを好きな人は昔と変わらず多いでしょうが、時代の移り変わって、情報を得る手段のバリエーションが豊かになった。日常生活の様々なシーンで、その状況にあわせて、情報を得る手段がある。だけど、メディアの側がそのニーズに追いついていない印象が僕してます。たとえば、雑誌とネット媒体の役割分担みたいなものは曖昧で、とくに雑誌の側は、ネット媒体をライバル視しすぎてる気がしますね。雑誌が売れなくなったといわれてずいぶん経ちますけど、これまでの収益モデルが壊れてきているのに、手を打っていないんじゃないかと。メディアとしての特性が違うのだから、もっと距離を縮めて、双方で利用しあえばハッピーなのにと、つねづね思ってますよ」
――情報を発信する側の杉山さんからみて、メディアの多様化はプラスですか、マイナスですか?
「プラスですね。というか、プラスになるように持っていくのが正しいスタンスじゃないですか。本質はテレビか、雑誌か、ネットかってことではないと思ってます。表現する場とその特性が違うってことだけですね」
――杉山さんの活躍されているサッカーのメディア業界について、現状をどう捉えていますか?
「あまり良い状態とは思っていませんね。テレビ、雑誌、ラジオ、新聞、ネットといろいろな媒体はありますが、その多様化は良いとして、逆に意見の多様化は感じない。たとえば、「オシム監督が良い」となれば、メディア全体が褒めまくり、信用してしまう。で、いざ、挫折をすると、今度は一気に叩きまくる。そういう10か0かって議論作りがとてもポピュラーになってますよね。僕からみると、健全じゃないし、面白くもない。
これは僕の持論でもあるんですが、極端な言い方をするとサッカーなんて所詮はエンタメですから、それを取り上げるメディアは、もっともっと議論を巻き起こすべきだと思うんです。サッカーという素材をもとに"もっと遊べ"って思います。先日、スペインのレアル・マドリーが、リーグ優勝したにもかかわらず、カペッロ監督を解任した。地元では連日その話題ばかりですよね。ようするにレアルはカペッロ監督がこのクラブの"水にあわない"から首を切ったわけです。でも、カペッロは以前にも同じ理由でレアルを解任された経緯がある。つまり、そんなの最初から分かってたでしょって意見が当然あって、クラブ首脳への風当たりは強い。
ただ、一方で、別の監督が良いと思っていた人たちも確実にいて、クラブの決断を擁護したりする。意見は真っ二つに分かれていて、ずっと議論が続いてる。メディアは、その双方の意見を煽るんです。で、議論が過熱すれば過熱するほど、雑誌なら雑誌の売り上げが伸びる。どちらが良いとか悪いとかの以前に、"議論を巻き起こす"わけです。そういう文化というのは、あまり日本のスポーツメディアには感じないですね」
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