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前園真聖が観た五輪【後編】北京への提言

[写真] 前園真聖
「チャレンジがなければ成長もない」と前園氏(photo by livedoor スポーツ)

 前園真聖氏が語る"オリンピック"の第二弾。今週は、辛くもアジア予選を勝ち抜き、北京五輪の本大会出場を決めたサッカー日本代表について聞いた。

 解説者の立場として、反町監督率いる同チームを見守り続けてきた前園氏。彼の目に映った若き日の丸戦士たちは、「物足りない」ものだったという。ベンチへの過剰な意識、埋没する個性…。眠れるポテンシャルを感じているからこそ、いまのチームに彼は歯がゆさを禁じえない。

 前園氏がキャプテンを務めたアトランタ五輪時のチームは、個性派集団と呼ばれた。ときには亀裂を生じるほど、選手たちがそれぞれに自己主張し、プライドがぶつかり合った。ともすれば崩壊と紙一重の状況だったチームは、一方で内包するエネルギーを武器に変えていった経緯がある。そんな実体験を持つ前園氏だからこその苦言。日本サッカーの未来を憂う彼の言葉には、耳を傾ける余地がある。

――今年、北京大会に出場する現在のサッカー五輪代表チームは、“解説者・前園真聖”の目に、どのように映ってますか?

「これは予選中から僕も何度か言ってきたことなんですけど、物足りないというか、このままじゃ予選突破もできないとずっと感じてましたね。苦しんで戦っていくなかで、最終的に、結束が生まれて、予選突破につながったと思うし、そのことは評価されるべきだと思ってます。ただ、試合を見ていると、もどかしいというか、選手たちに物足りなさを感じるというのが、いまのオリンピックチームに対する見方ですね」

――具体的にいうと?

「選手のプレーというか、個性が、組織のなかに埋没してしまっているなと、あのチームを見ていて感じるんですよね。組織というのは大事ですけど、それに加えて、ひとりひとりが持っている個性を出していかないと、本大会で勝つことはおぼつかないと思います。ちょっと厳しい言い方ですが、言われたことだけやっていても、その先には進めないし、見ている人もつまらない。マニュアルどおりやるだけなら、極論すると、誰でもよいという部分もありますからね。こんなところで、こんなことができるのかっていう意外性、驚き、発見というものを感じない。そのことが、僕は物足りないです」

――失敗を恐れているからでしょうか?

「そうですね。言われてないことをやってしまうと、“怒られる”とか思ってるように見えることがあります。勝負ごとですから、どこかでリスクを冒して、チャレンジしていかないと勝てないし、選手の成長もない。見てる人たちが喜んでくれるようなプレーも生まれないですよね。ホームって、見てる人の素直な感情が出ますからね。だんだんスタンドがガラガラになっていくのは、寂しかったですし」

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