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「燃え尽きるどころか、休んでる時間なんてない」

――ゲスト扱い?

「ある意味そうかもしれませんね。選手村などはセキュリティーも厳しく、メディアも入れないですから。選手と関係スタッフだけですし。そのほかの大会でもメディアの規制はありますけど、ある程度は選手との接触が可能だったりするものですが、オリンピックの場合はそうではないですね」

――オリンピックに2度出場されて、その後、日本に戻られているじゃないですか? 大きな目標を2度も達成したわけですし、燃え尽きるようなことはなかったですか?

「それはなかったですね。一度目のバルセロナは、いまお話したとおり無我夢中でした。2度目のアトランタまでの4年間というのは、また違う形でアプローチができました。そしてそれが終わったときに、次から次へとやりたいことが再び自分のなかで芽生えてきてましたから、燃え尽きたような感覚はまったくなかったです」

――バルセロナ後のアプローチの変化というと、具体的にはどんな点が?

「もちろん、チームにとっては地元アメリカでの大会ですから、金メダルを取ることが大きな目標でした。具体的な目標はあったのですが、それとは別に、ひとりのアスリートとして自分はどのようなバレーボーラーになりたいのか、自分はこの世界で何をしていきたいか、どうあるべきかということをいろいろと考えながらアトランタへと向かっていけました。バルセロナのときに比べれば、結果以外のことにも目を向ける余裕があったんですよね。アトランタは7位ですから、メダルどころの話ではありませんでした。これに関しては個人的にもチームとしても残念でした。

ただ、そうしたアトランタを経て、さらにオリンピック以外にもチャンレンジしたいこと、取り組んでいきたいことがたくさん出てきました。もちろん、長くやっていれば、肉体的にはどんなに手入れをしても衰えみたいなものは出てきます。それは、見てる人も分かるし、やってる本人が一番実感すること。でもその一方で、長くやっているからこそ分かることですとか、スポーツを通して伝えたいことがたくさん出てくる。ですから、燃え尽きるどころか、休んでる時間なんてないという感じでしたね」

――日本に戻られてトップリーグでプレーした率直な感想は?

「面白かったし、経験してよかったなと思います。選手として達成したいと考えていた目標ですとか、成し遂げたかったことができましたから。日本に戻ってきて引退まで全部で3シーズンだったんですけど、Vリーグで優勝して日本の頂点にも立てましたし、全日本選手権も2連覇することができました。ぜひ手に入れたいと思っていたタイトル、栄冠でしたので、それを達成できたことはとても良かったなと。自分の選手としての道のりは、ある意味で完成にいたったのかなと思えました」

――オリンピックではバルセロナで銅メダルを獲得していますが、“金”への思いは残りました?

「いえ、後悔はないです。もちろん残念ではありますけど、それ以上に、自分自身が、どんな目標を立て、どんな取組みをして、そこにトライできたかという意味で、ある程度自分の成し遂げたことに納得しています。自分の思い描くアスリートの理想型というか、そういうものに照らし合わせてみたとき、未練などは残りませんでしたね」

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