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永田克彦が語る、グレコローマンの魅力とは?

2008年8月6日、いよいよ北京五輪が開幕する。

レスリングでは、8月12日からグレコローマン6階級、16日から女子4階級、19日からは、フリースタイル7階級が、それぞれ行われる。『grazie』による五輪特集、レスリング編は、2000年、シドニー五輪レスリング・グレコローマン銀メダリスト・永田克彦に聞く大会プレビュー。

後編となる今回は、意外と知られていない、グレコローマンとフリースタイルの違いに、世界とアジアの特徴、更にはレスリング界の現状から未来に至るまで、その話は多岐に渡った――。

――永田さん自身はグレコローマンのメダリストですが、グレコといっても、シドニーの頃はピンときてもらえなかったのでは?

「それは難しいところがあるでしょうね。今でも区別がつかないというのが普通だと思います。僕自身は、レスリングという存在が一般に知られるのが嬉しいなと思っていました。

グレコローマンは男性にしかない種目です。現役の金メダリストがいる女子に比べて、目立ってはいないですが、フリースタイルも含めて、決して男子が弱いというわけではありません。女子レスリングは男子の女子版、という見方をするのは偏っていると思います。同じ組み技の格闘技でも、道着を着た柔道よりもレスリングの方が、男女差が大きく出ていると思うんです。だから、女子レスリング、フリースタイル、グレコローマンという三つの種目があるという分け方が広まって欲しいですね」

――ヨーロッパでは、グレコローマンの選手は最初からグレコをやっています。永田さん自身は、子どもにグレコは教えないのですか?

「子どもにグレコも良いですけど、大会がないから(苦笑)」

――カレリンも子ども向けの冠大会を主催していますし、永田さんと同じシドニーで金をとったサムルガシェフもジュニア向けの冠大会を主催しています。大会も主催してみてはいかがですか?

「主催してですか(笑)。子どもにグレコも良いですけど、ちびっ子ルールを作らないとならないですよね。いま日本中で行われているちびっ子レスリングも、フリースタイルに似てはいますが、ちびっ子独自のルールです。子どもにグレコローマンというのは、どこまで賛同してくれる人がいるか(笑)。

中学生くらいに成長していれば問題ないと思いますが、グレコローマンはバックドロップやそり投げが必須なので・・・。レスリングの基本というのはブリッジで、その中でもグレコローマンは特にスープレックスやそり投げ系が基本になります。その技を小学生が実践するのは危ない場面もあるな、と思うんですよね。だから、そのままでは難しいですね。もちろん、小さいころからやった方がよいのですが、試合をするには向かないかなと思います」

――グレコローマンが盛んなヨーロッパでは、早くても10歳くらいからレスリングをはじめるそうですが、最初からグレコローマンとフリースタイルとで分かれているそうですね。日本では、レスリングを始める場合、まず全員がフリースタイルから始めます。もっともはやくグレコローマンを実践するにしても、高校生向けの全国大会が年に一回設定されていて、その試合に出るためだけに取り組んでいるのが現状です。

「韓国はアジアのグレコローマン強国ですが、あちらでもレスリングを始めるのは早くても中学からです。でも、韓国もやっぱり、最初にフリースタイルに取り組んで、専門化するのは高校生になってからなんですね。でも日本では、フリーもグレコも同じ競技、同じ種目という意識が強いかもしれません。

総合格闘技の世界に入ってから、僕がオリンピックのメダリストだからといって、あたかも強力なタックルを武器にしていると思わることが多くて戸惑っています。高い評価をしてもらえるのは嬉しいですから強くは言わないですが、ごく内輪では、グレコ出身だからタックルは全然、素人なんですよと話しています。

僕ら、グレコローマンという種目をやっているレスラーにとってタックルは反則なんです。スープレックスなど、投げたりするのは得意なんですが、タックルは全然、苦手なんですよ。といっても、なかなか分かってもらえなくて、あたかもタックルの猛者かのように思われてるんですよね」

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